
日本小児科学会は6月1日、今年の秋から冬にかけて新型インフルエンザが再流行した場合、「多数の小児罹患者が予測される」として、すべての小児科診療施設が新型インフルエンザ診療に参加できる体制をつくることなどを盛り込んだ提言をまとめ、ホームページ上に公表した。
提言は、「これまでの新型インフルエンザの歴史からみると、多くは複数回、主に2回の流行の波を起こしている」とした上で、今年の秋から冬にかけて「再びより大きなアウトブレイクが起きる可能性が非常に高い」と指摘。小児患者についても、季節性インフルエンザの数倍の発生を想定しなくてはならないとした。
一方、新型インフルエンザ対策については、発熱相談窓口や発熱外来が「蔓延期」には機能せず、「むしろ一般の小児科診療を阻害する面が多いと考えられる」と指摘。その理由として、「そもそも小児科の外来は種々の原因による発熱患者が多い」「迅速診断キットによっても新型と季節性インフルエンザを鑑別することができない」などを挙げ、流行が予想される今年の秋から冬にかけては、「季節性インフルエンザと新型インフルエンザを小児科診療上区別することは困難」などとした。
その上で、小児の新型インフルエンザ診療について、可能な限り早期に「季節性」と「新型」の区別を取り除き、通常のインフルエンザ流行期の診療体制を維持するとともに、すべての小児科診療施設が新型インフルエンザ診療に参加できる体制づくりなどを提案している。
また、新型インフルエンザの重症度が季節性インフルエンザと同等の場合でも、インフルエンザ脳症や重症肺炎などの合併症を併発した重症患者が増加する可能性を指摘した上で、こうした患者に対応するため、「重症患者診療施設」「肺炎・脱水などの入院に対応する施設」「入院は扱わず外来診療を中心にする施設」などの機能分担を地域ごとに決めておく必要があるとした。
提言は小児科における新型インフルエンザの治療について、「季節性インフルエンザに準ずるもの」と強調。
また、10代の患者に対する「オセルタミビル」の使用制限は、現時点でも継続していると指摘。今後、新型インフルエンザの小児の場合の重症度が明らかになった時、抗インフルエンザ薬の使用方法を日本小児科学会としてあらためて検討するとした。
(キャリアブレイン)
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