
国立感染症研究所感染症情報センターはこのほど、医療機関での新型インフルエンザ感染対策の手引を公表した。同センターでは5月20日に、「まん延期以降」に医療機関が取るべき院内感染対策を公表していたが、今回の手引は「現時点で全国すべての地域で適用できる暫定的な手引」。感染者に対して通常のケアを行う場合は、「N95マスクによる空気予防策を取る必要はない」などと強調している。
同センターでは、新型インフルエンザが既に「ヒトからヒトへ感染伝播する能力を十分に身に付けていると考えるに足る状況」と指摘。その上で、「市中感染を主体とする季節性インフルエンザと同様にとらえるべき状況」にあり、院内感染対策を厳格に行っても「医療従事者の感染は防ぎ切れない」ことを認識すべきとしている。
感染経路については、季節性インフルエンザと同様に「飛沫感染が主体」と考えられると指摘。また、「目を感染経路と考える必要はあまりないものと考えられる」としている。さらに、下痢や嘔吐の症状がある患者の割合が、日米間で差があることや、便や嘔吐物などの感染性も明らかでないことから、「便や嘔吐物については標準予防策を基準とする対応でよい」との見方を示している。
また、感染者に医療従事者が接する際の対策について、5月20日の手引では、まん延期には「N95マスクが不足してくること、市中感染が発生している状況と医療機関において高度な感染対策を行っていることとのバランスの問題」から、「通常のケアに従事するスタッフはN95 による空気予防策を取る必要はなく、飛沫予防策と手指衛生を標準とすべきであろう」としていた。しかし今回の手引では、こうした対策は地域の流行状況によって変わるものではなく、今回の新型インフルエンザに適用される「普遍的な感染対策」と強調している。
国立感染症研究所感染症情報センター「医療機関における新型インフルエンザ感染対策」
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/infection_control_3.html
(キャリアブレイン)
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