2009/08/24 【新型インフルエンザ】病院パンク...豪、NZの教訓(産経新聞)
ニュージーランドのクライストチャーチでは先月、ジェフ・ショーさんが働く病院の集中治療室(ICU)が新型インフルエンザの患者で満床となり、一部の外科手術を中止せざるを得ない事態となった。これから冬を迎える北半球では、欧米の保健当局が同様の状況を想定し、対策を進めている。
ショーさんは、11日間で185時間というICUでの勤務と待機の後、「ベッドを置くスペースがなくなってしまった」とし、「別の治療も拒否されたため、亡くなる人が出てくるだろう」と話した。
保健当局者らはこれを「新型インフルエンザのパラドックス」と呼ぶ。新型インフルの感染は拡大しているものの、大多数の患者は数日以内に回復しており、死亡者数は季節性インフルエンザの数分の1だ。
だが専門家らは、こうした統計上の数字が憂慮すべき現実を覆い隠していると指摘。新型インフルのパンデミック(世界的大流行)でICUの負担は増えており、北半球が秋になってウイルスが再び活発になれば深刻な事態に陥りかねないとの見方を示す。
オーストラリアのロイヤル・パース病院の集中治療スペシャリスト、サイモン・タウラー氏は「概して、われわれは運が良かった」と指摘。「もしこれが毒性の強い別タイプのインフルエンザだったら、大きな混乱に陥るだろう」と述べた。同氏によれば、豪ウエスタンオーストラリア州では先週、州内に105ある成人用の集中治療用ベッドの4分の1が新型インフルの患者で埋まったという。
オーストラリアやニュージーランドでのこうした状況は、北米や欧州、日本が冬を迎えたときに直面し得る事態を理解するための手掛かりとなりそうだ。
米ミネソタ大学の感染症研究・政策センターのディレクター、マイケル・オスターホルム氏は北半球での状況について、「秋には、ウイルスの毒性やわれわれの備えといった面で何も変化がなくても、真の難題を抱えることになるだろう」との見方を示した。(ブルームバーグ Jason Gale)
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産経新聞)