
新型インフルエンザの流行「第2波」に備え、県内企業が対策に本腰を入れ始めた。過剰反応との指摘もあった今春の流行時と比べ、予防に向けた従業員の啓発に力を注ぐなど、いまのところ冷静な対応が目立つ。だが、ようやく景気が底を脱したとされる時期だけに、むしろ「景気の波」に乗り遅れまいとする傾向も。特に中小企業では、インフル対策にまで手が回らない状況のようだ。
春にはマスクを品薄にさせるほどの反応は、不特定多数が利用する施設でも影を潜めている。当時は全行員にマスク着用を義務づけた横浜銀行(横浜市西区)は、予防策を行内ネットで周知するなどの対応にとどめている。
そごう横浜店(横浜市西区)では春以降、店内のトイレに消毒液の常備を続けている。従業員に対しても、うがいや手洗いの励行、毎日の検温を促すなど「既に取っている対策を地道に続けている」。
鉄道事業者は、予防策の周知に力を注ぐ傾向がとりわけ強い。職員に感染が拡大しても交通インフラは止められない立場。「電車区の人員が1、2割休んだだけで定時運行が厳しくなる」(東京急行電鉄)ため、感染が発生したら即座に把握する態勢づくりを迫られている。
相模鉄道(横浜市西区)は新型インフルの実態や予防策を紹介したビデオやパンフレットを作製し、社員の家族も含めて理解を促している。京浜急行電鉄(東京都港区)も、手洗いやうがい励行をあらためて社内通達や社内報で指示した。マスク備蓄も済ませており「従業員の間でも意識が高まってきた」という。
少ない従業員で切り盛りしている中小企業にも、危機意識が強い。厚木市の素材加工会社は「社内で感染が広がれば、業績への影響は大きいだろう」と懸念する。
ただ、対策は二の次というケースも目立つ。主力製品の受注が少しずつ回復してきたという相模原市のメーカーは「赤字幅を縮める大切な時期。営業や技術部門の社員が感染したら損失は計り知れないのは分かっているが、今は仕事を優先せざるをえない」と話した。
(カナロコ)
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