
■突然の政務官介入...方針は二転三転
新型インフルエンザ用ワクチンの接種回数について、厚生労働省は20日、妊婦や持病のある人、1歳未満の小児の保護者、中高生、高齢者を当面は2回接種とすると発表した。20~50代の健康な医療従事者は1回接種とする。
当面は1回接種でも十分に免疫効果が上がるとされる臨床試験のデータのある20~50代の医療従事者をのぞき、すべての優先接種対象者は2回接種となる。
ただ、妊婦と中高生については、今後、数十人から100人規模の臨床試験を実施し、1回接種の効果を調査。海外のデータや専門家の意見も踏まえて今後、改めて方針を決める。
1歳から13歳未満については、免疫が上がりにくいことが想定されることから2回接種としている。
ワクチン接種の回数については、1回と2回をめぐり、厚労省の方針がなかなか定まらなかった。
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新型インフルエンザのワクチン接種回数をめぐり二転三転した厚生労働省の方針がようやく決まった。厚労省は1回接種の方針を公表する予定だったが、足立信也厚労政務官が異論を唱え、議論をやり直した。民主党が進める「政治主導」を示した格好だが、患者が急増する中、医療機関や接種を控えた妊婦らからは「早く国の方針を示して」との声が上がっている。
厚労省が16日に開いた専門家会議では、20~50代の健康な成人約200人を対象とした臨床試験の結果を受け、妊婦や持病のある人も含め「13歳以上は原則1回」とすることで合意。厚労省は1回接種にかじを切ろうとしていた。
ところが、ワクチン接種が始まった19日、足立政務官が突然、不快感をあらわに。医師経験のある足立政務官は「科学者の端くれとしては、今回の試験ではとてもそこまで(1回接種で十分)とはいえない」として同日夜に急遽(きゅうきょ)、新たな専門家を加えた会議を招集し、軌道修正を図った。
厚労省幹部は「脱官僚を掲げる民主党としては、医系技官と一部の専門家で決めた内容が気に入らなかったのだろう」と語り、別の幹部も「(1回接種に)異論があっても、なぜ接種開始当日なのか...」と困惑した。
国の方針が二転三転し、悲鳴を上げているのは患者からの問い合わせを受ける医療機関と患者自身だ。
東京都大田区の診療所「川田医院」の川田彰得院長は「ワクチン接種を待つ患者が多い中、早く予約を受け付けてあげたいのに、スケジュールが立てられない」と嘆く。
第一子を妊娠中の東京都品川区の主婦、小島友美さん(30)は「コロコロと方針が変わるたびに不安を感じる。ワクチンは本当に大丈夫なのでしょうか」と疑問を呈している。(蕎麦谷里志)
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