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2009/11/26 新型インフルエンザ:ワクチン優先接種、警察官ら除外で余波 現場に戸惑い /長野

 ◇介護職員も 「社会機能支える職種なのに」

 新型インフルエンザのワクチン接種が県内でも10月19日から医療従事者向けに開始され、厚生労働省が示した接種計画に基づいて、妊婦などの優先接種対象者も9日から順次接種が始まった。一方、昨年9月の段階で政府が示した新型インフルエンザワクチン接種の計画案では、優先接種者とされていた県警の警官や介護職員など、人と接する機会が多く社会機能を支える職種が今回は対象外となった。関係者からは戸惑いや不安の声も出ており、試行錯誤の対応が続きそうだ。【小田中大】

 ■「重症化防止」へ

 政府が昨年示した接種案は、高病原性の鳥インフルエンザ(H5N1型)を念頭にまとめられた。接種の目的を健康被害の防止と並んで「社会・経済機能の破綻(はたん)を防ぐ」と設定。危機管理の意味合いが強く、医師などの医療従事者に加え、警官や介護職員などがワクチンの優先接種対象者に挙げられていた。

 ところが、今年4月にメキシコで最初に感染が確認された新型インフルエンザは、これまで想定されていたH5N1型ではなく、弱毒性とされる豚インフルエンザ(H1N1型)だ。米国などの調査でも致死率は季節性インフルエンザと大差がないとされる。

 国内の感染状況などを観察した上で、国が9月に改めて出した接種計画では、目的から「社会機能の維持」が外れ、患者の重症化や死亡の防止が目的となった。その結果、インフルエンザの治療に直接携わる医療従事者以外の職種には、優先接種は割り当てられなかった。同省結核感染症課は「今回のワクチン接種は感染予防という意味づけはない。データとして子供や基礎疾患のある人が亡くなる危険性が高い傾向にあるので、それに基づいて計画を作った」としている。

 ■厚労省に疑問も

 一方、優先接種から外れた現場では戸惑いの声もある。県警厚生課によると、今夏以降、警察職員の感染が10人程度発生しているという。また家族に感染者が出た場合には一定期間、自宅待機とする措置を取っている。同課の竹内公人次長は「一挙に職員が感染する事態は今のところ想定していない。組織が動かなくなるということはないのではないか」と話す。

 だが、一般の人と同じ接種順となったことに、県警のある関係者は「警察は社会維持の重要なポイントにあると思うが......」と漏らす。

 また体力が弱かったり、基礎疾患を持つ患者を抱えることが多い介護施設でも、不安の声が上がる。長野市内のある特別養護老人ホームでは、今のところ入所者や職員の感染例は出ていないという。同所の所長は「うちは病院みたいにいろんな人は来ない。(感染経路が)限られているので、優先接種の対象にならなかったのは仕方ないかなと思う」と話す。ただ一方で「初めてのウイルスなので(ホームの管理に)慎重にならざるを得ない」といい、「厚労省は対策をあまりに簡単に考えすぎていたのではないか」と疑問も呈した。

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 ◇今年9月の接種計画で優先接種の対象から外れた主な職種

 自衛隊員▽在外公館職員▽宿泊施設の従業員など▽航空運送事業者▽新型インフルエンザ対策に関する意思決定に携わる者(首長など)▽国会議員▽都道府県・市町村議▽電気通信業▽裁判官▽検察庁従事者▽ライフラインの維持にかかわる業者(電気・ガス・水道・石油など)

 

毎日新聞 地方版




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