
東北で感染性胃腸炎の発生件数が前年を大幅に下回っている。例年11月に入ると、ノロウイルスが原因とみられる集団感染で胃腸炎の患者が急増するが、今年は夏から少ないまま推移。自治体の感染症対策の担当者は「新型インフルエンザが流行して手洗い、うがいを徹底したためではないか」と、思わぬ効果に驚いている。
仙台市衛生研究所の調査では、市内の定点医療機関当たりの感染性胃腸炎報告数は11月30日~12月6日の1週間で、3.12人。前年同期(12.69人)の4分の1程度だ。
過去5年間を見ると、7月下旬~10月は5.0人以下(1週間当たり)で、11月ごろから急増、12月にかけてピークを迎える。08年の最多は20.50人、07年は31.38人だった。
今年は東北各県でも同様の傾向が見られる。11月30日~12月6日の報告数は宮城が2.73人、青森は1.38人、山形は3.23人、福島は2.60人。岩手は4.18人、秋田は5.14人と保育園などで発生が増え始めたが、例年より約7~5人少ないという。
激減の要因として、関係者が推測するのが、新型インフルエンザ対策として手洗い、うがいを励行している点だ。
仙台市感染症対策室は「ノロウイルスの感染拡大を防ぐ手段としても、手洗いは有効だ」と話す。インフルエンザの流行で、体調が悪い時はすぐ休むといった行動が社会で受け入れられていることも、拡大防止に役立っているとみる。
宮城野区の原町小(児童582人)の千葉茂仁校長は「夏休み前は、下痢や吐く子がちらほら出ていたが、今はいない。手洗い、うがいを徹底したからだろうか」と推測する。
ただ、例年、12月の発生が最も多いだけに、泉区の「泉チェリー保育園」(園児217人)の大山道子園長は「ことしは胃腸炎にかかる子どもは少ないが、ノロウイルスは感染力が強いので油断はできない」と警戒する。
[感染性胃腸炎]ウイルスや細菌などによる胃腸炎。嘔吐(おうと)や下痢、発熱、腹痛などの症状がある。初冬はノロウイルス、春先はロタウイルスが原因となるケースが多い。ウイルス性の場合は手を介して感染が拡大する。
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