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2009/12/16 8月以降にA型感染なら接種の必要なし―新型ワクチンで感染研・岡部センター長

 厚生労働省は12月16日、「新型インフルエンザワクチンに関する有識者との意見交換会」を開いた。中高生を対象にした臨床試験で、感染しても症状が出ない「不顕性感染」を示唆するデータがあったことに関して、国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長は、「抗体がある人に接種しても全く問題ない」との見解を示した。その上で、簡易検査などで8月以降にA型インフルエンザの感染が確認された人は、新型インフルエンザワクチンを接種する必要がないとの認識を示した。

 臨床試験は、阪大微生物病研究会が中学生56人、高校生45人を対象に実施。接種前と接種3週間後にHI抗体価を測定した。その結果、1回の接種で欧州医薬品審査庁(EMEA)、米食品医薬品局(FDA)の評価基準をいずれも上回る効果があった。
 意見交換会で山形大医学部附属病院検査部の森兼啓太准教授は、高校生のうち約3割の14人が接種前から抗体を持っていたことについて、「既に不顕性感染していたか、ウイルスに暴露していたのだろう」と指摘。「このデータには限界があるが、現時点でこれ以上の臨床研究はない。データの限界を理解した上で、『1回でよい』と政策提言をするしかない」と述べ、他の出席者もこれに同意した。

 続いて神戸大大学院医学研究科の岩田健太郎教授が、「今後ワクチンを運用していく上で、事前に抗体検査をしてから予防接種を行うべきなのか、検査せずにどんどん予防接種をするべきなのか」と質問。これに対し、岡部センター長は「抗体のある人にワクチンを接種しても、特殊な疾患を除いては問題ない」とし、事前に抗体検査をすることは「コストや負担が大きく、公衆衛生上は全く意味がない」との考えを示した。その上で、5-7月にPCR検査で確定診断された人に加え、簡易検査などで8月以降にA型インフルエンザであることが確認されている人も、7月以降に検出されるインフルエンザウイルスのほとんどが新型インフルエンザであり、既に感染して抗体ができていると考えられるため、「接種の必要がない」との認識を示した。
 これについて、自治医大附属病院臨床感染症センター感染症防御部の森澤雄司部長は、「現場では、既にかかった人に打つべきかどうか、もめている。あまり踏み込んだ提言をすると、かえって混乱する」と指摘。「『打つ必要がない』のであって、『打ってはいけない』のではないことを、しっかり情報提供することが重要だ」と強調した。

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