
県内の新型インフルエンザワクチンがだぶつく懸念が出てきた。在庫が十分あるうえ、流行のピークが過ぎて接種を見送る人が増える可能性があるためだ。新型インフルのワクチンは返品や転売ができず、余剰を抱える医療機関から救済を求める声が高まる事態も予想される。【上田泰嗣】
県健康増進課が1月12日現在で調査したところ、県内の在庫は12万6400回分(医療機関7万3600回分、卸売業者5万2800回分)だった。多いところでは3000回分の在庫がある医療機関もあったという。
県は「在庫は十分」と判断し、当面、国からの供給を止めることにした。
しかし、ワクチンが返品できないこともあり、医師らにはだぶつきを懸念する声も強い。今月3日に県庁で開かれた関係医師らの会議では「購入した医師が返品できず(損を)かぶるのは納得できない。国に買い取ってもらうよう要請してほしい」との意見も出た。
しかし同課は「医療機関のワクチンの管理状況が分からない以上、返品は困難」との見方だ。在庫の多い医療機関を公表して接種希望者を誘導する案も検討したが、「ワクチンが余っているのは、医療機関の商業上の問題」と、公平性への疑問が指摘され、頓挫したという。
同課はこうした現状を認識しているものの、今後の方針は未定。「接種は任意なので、積極的に県が呼び掛けることもできない。『まだ安心できない』と言う程度しかないのでは」と苦慮している。
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