
京都府京丹後市弥栄町の繊維加工用薬剤メーカー「金久」が開発した薬剤と抗菌剤で加工した繊維製品が、鳥インフルエンザウイルスを不活性化させることが、京都府立医大の試験で分かった。同社は「医療用ユニホームなど幅広く活用でき、院内感染などの防止に役立つ」としている。
金久は、12年前に丹後ちりめんの防シワ加工用の薬剤を開発した。この触媒となる薬剤を応用し、2008年から抗菌や抗ウイルス剤の研究開発に取り組んできた。
金久慶一郎社長(57)は、インフルエンザウイルスに効果がないとされてきた抗菌剤・塩化ジデシルジメチルアンモニウムの安全性に着目。綿に加工した自社の薬剤と抗菌剤から発生した塩素が繊維中の水分に溶け、ウイルスや細菌の複合タンパク質を破壊する-との理論を立てた。
これをもとに、加工した繊維製品の効果を調べるため、今年2月に京都府立医大に試験を依頼した。薬剤を含んだ綿を鳥インフルエンザウイルス(H5N2型)溶液に浸すと、ウイルスが24時間で99・87%減少し、ほぼ死滅したという。
試験を指導した今西二郎教授(ウイルス学)は「ユニホームやシーツなど医療分野で用途が広がる可能性がある」と期待する。金久社長は「この薬剤は安価で加工方法も簡易。院内感染を引き起こすメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などに対する抗菌効果も他の評価機関で実証されており、他の感染症への活用も考えたい」と話している。
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