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2010/06/25 ペット感染症:ペットからの感染注意 かまれる、ふん吸い込む...過度な接触避け清潔に

 ペットとふれあう中で感染し高熱などの症状が出る「ペット感染症」。感染を放置すれば重症化したり、場合によっては死に至る場合もあるが、飼い主にその存在はなかなか浸透していないのが現状だ。ペット病にはどのようなものがあり、感染を防ぐためにはどうすればいいのか。適切なペットとの付き合い方も含め専門家に話を聞いた。【曽根田和久】

 ペット感染症に詳しい公立八女(やめ)総合病院(福岡県八女市)の吉田博企業長(内科)によると、動物から人に感染する「動物由来感染症」は世界で約150種類が知られている。日本国内では腸管出血性大腸菌感染症など約50種類が確認されており、うちペット感染症は約30種類と半数以上を占める。

 ■猫ひっかき病

 このうち感染者が最も多いとみられるのが「猫ひっかき病」だ。病原菌に感染した猫にかまれたり、引っかかれたりして感染し、傷口やリンパ節が腫れ、発熱などの症状を引き起こし、海外では死者が出たとの報告もある。国内の死亡例はないが、急性脳症に至ったケースがあるという。

 毎年十数例を治療するという吉田さんの調査では、病原菌を持つ猫ノミが繁殖する7月に患者が増え始める。子猫が増える10月ごろにピークを迎え、寒さが増す12月に終息する傾向がある。男性は20代以下が多く、女性は40代が大半を占める。吉田さんは「若い男性は猫の扱いが乱暴になりがち。40代の女性にはペットに長時間接する主婦が多い。いずれも引っかかれやすいということではないか」と分析する。

 感染を防ぐにはどうすればいいのか。吉田さんは「猫を清潔にすることが最も大切」と指摘し、駆除薬などによるノミ退治を第一に説く。症状が表れた場合は、医師に「最近引っかかれた」「家で猫を飼っている」など猫とのかかわりを説明することも重要という。

 ■カプノサイトファーガ・カニモルサス

 近年は猫と犬の口の中にいる「カプノサイトファーガ・カニモルサス」という細菌の感染症も報告が増えている。犬は7割以上、猫は5割以上が持つとされる細菌で、感染力は弱いが、発症すると敗血症などでショック症状を引き起こし、急激に重症化する。発症のメカニズムははっきりとしないが、これまで国内では02年以降14人が発症し、うち6人が死亡している。

 神戸市立医療センター中央市民病院では、07~08年に4人の患者が運び込まれ、うち2人が敗血症で死亡した。検査を担当した同病院臨床検査技術部の三木寛二副技師長は「血液検査で容易に感染の有無は確認できる。犬や猫にかまれたり、引っかかれた時は、すぐに病院で検査をしてほしい」と呼びかける。

 ■オウム病

 ペットとして人気の高い鳥から移る感染症もある。オウム病は、感染した鳥のふんを吸い込むことで発症する病気だ。ほとんどの鳥類が感染する危険性を持ち、診断した医師は保健所への届け出が義務づけられる4類感染症の一つだ。昨年1年間に全国で21例、例年でも数件から数十件の患者が報告されている。

 東大阪市では、04年に2家族3人のオウム病患者が発生した。患者らは当初、いずれも風邪やインフルエンザなどが疑われた。投薬治療が行われたが、なかなか回復せず転院。その後にいずれも自宅で鳥を飼っていることが分かり、ペット感染症が疑われ、検査でオウム病と診断された。

 国内では複数の自治体が、家庭で飼育されている鳥が持つ病原体の保有データを集めている。東大阪市でも、これまで市内の獣医師会に協力を仰ぎ、犬と猫を中心に複数のペット感染症について飼い主の了解を得ながら病原体の保有状況を確認している。

 オウム病についても、患者発生前の03年から継続的にデータを集めている。昨年度までに約180羽を検査した結果、約2割にあたる35羽が陽性だった。患者は子どもより大人の割合が多い。東大阪市保健所の松田健治主査は「鳥は、かごの中から逃がすと大変なので、子どもより大人が世話をするケースが多いからではないか」と推測する。

 松田さんは「ちょっとしたことで感染は防止できる」と話す。オウム病は、ほこりとして舞い上がった乾燥したふんを吸い込むことで感染する。「まずはこまめにふんの始末をすること。もちろんマスクをすることを忘れないで」と話す。他にも、▽十分に換気をする▽口移しでえさをやるなど過度な接触を避ける▽世話をした後に手洗いを徹底する--なども重要だ。

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 ◆他のペット感染症

【犬・猫】

 ◇パスツレラ症

 かまれたり引っかかれたりして感染する。多くは軽症だが、糖尿病など基礎疾患があると重症化することがある。

【犬】

 ◇狂犬病

 ウイルスに感染した犬にかまれることで感染する。発症すると神経症状や呼吸困難に陥り、ほぼ100%死亡する。

【猫】

 ◇トキソプラズマ症

 ふんに混じった原虫などから感染する。妊婦が感染すると流産する場合もある。

 ◇Q熱

 ふんや尿、胎盤に含まれる病原体を吸い込み感染する。インフルエンザに似た症状が出る。まれに重症化する。

【爬虫(はちゅう)類】

 ◇サルモネラ症

 ヘビやカメなどが菌を保有している。多くの場合、食中毒症状が表れる。敗血症などの重症例もある。

 

毎日新聞




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