
島根県は29日夜、同県安来市の養鶏場で5羽の鶏が死に、高病原性鳥インフルエンザの疑いがあると発表した。県が行った簡易検査では鳥インフルエンザの陽性反応を検出、遺伝子検査(PCR検査)の結果、H5型とみられるという。鶏で確認されれば、2007年2月の宮崎県新富町の例以来。島根県は独立行政法人動物衛生研究所(茨城県つくば市)に検体を送り、病原性などについて詳しく鑑定する。また、この養鶏場の半径10キロ圏内には、鳥取県を含めて計5か所の養鶏場があり、計約11万羽を飼育。両県は養鶏農家に鶏や卵の移動自粛を要請した。
農林水産省は29日、鹿野農相を本部長とする高病原性鳥インフルエンザ防疫対策本部を設置。同省の獣医師らでつくる「緊急支援チーム」の派遣を決めるとともに、島根県に対し、高病原性について未確認の段階での、当該養鶏場の全鶏の殺処分を打診した。
島根県によると、安来市の養鶏農家が29日朝、養鶏場で飼育している2万羽のうち5羽が死んでいるのを発見。「様子が変なので検査してほしい」と県松江家畜衛生部に連絡した。
同部は死んだ5羽を現場で簡易検査し、3羽の陽性を確認。生きている2羽の検体も加え、県家畜病性鑑定室でPCR検査をし、高病原性のひとつのH5型の可能性が高いと判明した。
この養鶏場は採卵鶏2万羽とひな3300羽を飼育している。同日夜までに、新たに約30羽の鶏が死んだこともわかった。
同県は同日午後10時から県庁で危機管理連絡会議を開催し、対応を協議した。
また、鳥取県側の米子、境港両市にある3か所の養鶏場にも、同県が29日、鶏や卵の移動自粛を要請。30日には養鶏農家に出入りする車両の消毒を実施する。
鶏が死んだ養鶏場は、渡り鳥が飛来する中海に面しているという。過去の感染では、ウイルスの広がりに渡り鳥が関連しているという知見もあることから、島根県などは今回のケースと渡り鳥の関連を調べる。
鹿野農相は29日深夜、記者団に対し、「拡大を防ぐため、宮崎の口蹄疫(こうていえき)の経験を生かし、万全を期したい」と話した。
高病原性鳥インフルエンザ 鳥インフルエンザのうち、高い病原性を示すウイルスが引き起こし、鶏やウズラなどが感染する。ウイルス表面のたんぱく質で型が分かれ、日本ではH5型とH7型を高病原性と分類。鳥との濃厚接触や粉末状になったふんを吸い込んで人に感染することはまれにあるが、加熱すれば感染性がなくなり、鶏肉や鶏卵を食べて感染した例は、世界でも報告されていない。
読売新聞
Copyright (C) 感染症予防と衛生材料の専門店「パンフル」. All Rights Reserved.
運営:メディカル・セブンディー